軍縮と援助の経済学
軍備の問題は政治的、外交的な側面から本来は評価すべきものでありますが、経済的な観点からこの問題を考えてみましょう。
・・・かつて、軍事費は経済にプラスだというふうな議論がありました。
つまり政府支出としての軍事費の支出が有効需要を創出するというかたちで景気を拡大し、経済の成長と雇用機会の拡大に役立つという見解が有力でした。
しかし、現代では一般的には経済に対して軍事はマイナス効果が大きいとされてきています。
その理由は、第一に、軍事費は財政赤字の要因であり、かつそれ自体生産的支出でないこともあって、インフレ要因となりやすいということです。
軍事費の政府支出に対する比率は87年度において、アメリカ(28・7%)、西ドイツ(22・9%)、フランス(19.8%)、ソ連(15・6%)、イギリス(11・2%)、日本(6・5%)などとなっており、途上国では概してこれより高いのです(米軍備管理軍縮局資料)。
ソ連では15・6%とゴルバチョフ氏はのべています。
第ニに、それは民間部門の資金需給を圧迫し、また労働市場において軍事部門が技術者、熟練労働者を優先的に採用する結果、民間部門の技術の向上、あるいは生産性向上を阻害します。
・・・国際競争力の弱化も、その一つの帰結です。