米ソと途上国の軍事支出
前回のべたようなことは、世界で最も強大な技術力、潜在経済力、そして政治力を保持するアメリカにおいても例外ではありません。
アメリカの膨大な財政赤字のかなり大きな要因は軍事費の支出でありますが・・・
この財政赤字が、アメリカの低い貯蓄率のために国内資金では十分にまかなわれず、西ドイツや日本のような黒字国からの資本流入で埋め合わせが行なわれています。
そのことがアメリカの対外負債の増加、ひいてはドル不安の原因となりました。
そして経常収支の赤字が継続した結果、アメリカが従来の資本供与国から資本受け入れ国になって、途上国に対する資金援助もままならぬ状況になってきました。
アメリカの軍事支出はGNPに対して近年6~8%程度であって、このような巨大な軍事支出はさすがのアメリカにとっても大きな負担になっています。
また、この巨大な軍事支出に支えられたアメリカの軍事産業が、優先的に技術者を雇用市場から吸い上げることによって、アメリカの民間部門の技術向上あるいは生産性向上が阻害されて、アメリカの国際競争力低下、貿易収支赤字に拍車をかけてきました。
・・・さらに、その巨大な軍需産業の存在が、かつてアイゼンハワー大統領に指摘されたように、「産軍共同体」的な体質をアメリカ経済にもたらし、その活力を損なっています。